決算が赤字の場合法人税は支払わなくていいの?
決算が赤字になった場合、法人税は支払わなくてもいいのでしょうか。
本稿で、赤字になった場合の今後の事業に対する影響とあわせて解説いたします。
法人税とは
法人税とは、法人が1年間の事業で得た所得に対してかかる税金のことです。
決算によって算出された法人税は、決算日の翌日から2か月以内に納付書で納付しなければいけません。
法人税には種類があります。
- 法人税
- 地方法人税
- 都道府県民税・市町村民税(住民税)
- 事業性
- 地方法人特別製
法人税が赤字の場合
基本的に法人税が赤字になった場合は、法人税は発生しません。
赤字決算とは
赤字とは、決算の時点で年間の費用が利益を上回ってしまい、利益がない状態のことを指します。
法人税は決算において出た利益に対して税金が課せられます。
赤字決算によって利益のない状態であれば、法人税が算出されることはありません。
赤字決算でも免税されない場合
赤字なので法人税の納付が免除されますが、赤字決算でも税金が発生する場合があるので注意が必要です。
免除されない税金は次の通りです。
- 法人住民税
- 消費税
- 源泉所得税
- 住民税
- 印紙税
- 登録免許税
- 固定資産税
- 自動車税
法人住民税の均等割りは所得にかかわらずかかる税金なので、約7万円程度は必要です。
また消費税の課税事業者の場合も所得とは関係なくかかってきます。
繰越欠損制度とは
青色申告をしている法人は、当期の損失を最大で10年間繰り越しできます。
この制度を利用すれば、以後利益が出たとしても欠損部分に充てられるので法人税を抑えられます。
赤字決算のメリット
赤字というとあまり良いイメージはありませんが、節税面等さまざまなメリットもあります。
必ずしも悪いとは言い切れません。
法人税を抑えられる
赤字決算になると、計算式の基本部分である課税所得が0円になるため、法人税はかかりません。
法人税は税率が高いため高額になりがちですが、法人税が0円だと税負担はかなり減るのはメリットといって良いかもしれません。
前年の法人税を取り戻せる
青色申告を行っている法人が今期赤字決算となった場合、前年に支払った法人税を取り戻せます。
「欠損金の繰戻し還付」と言い、計算式は次の通りです。
繰戻し還付金=前期法人税×(当期欠損金額÷前期所得金額)
赤字決算のデメリット
赤字決算のメリットでは節税効果などの期待ができる反面、経営していくうえでリスクも生じてしまいます。
資金調達が難しくなる
銀行などの融資を利用する場合に赤字決算は経営不振であることを疑われる可能性があり、融資を拒否されてしまうことがあります。
金融庁の金融検査マニュアルにより、正常と考えて問題ない場合は以下の通りです。
- 一過性の赤字で事業計画と大幅な乖離がない場合
- 創業赤字の場合
- 返済する能力に問題がない場合
債務超過になり倒産する可能性がある
赤字決算が長期にわたって続いた場合は、膨れ上がった債務が返済できなくなり倒産する可能性が出てきます。
一時的な赤字なら問題ないケースがほとんどですが、倒産してしまうほど赤字決算が長期に渡るのは非常にリスクを伴います。
脱税を疑われる可能性がある
赤字決算を節税に利用してもかまわないのですが、税務調査が入った際に脱税を怪しまれてしまう可能性があります。
税務書類に怪しまれることが不安な人は、税理士に申告等の適切な処理をお願いするといいでしょう。
まとめ
決算が赤字になった場合には、法人税が免除されることをはじめ節税効果としてさまざまなメリットがあります。
しかし事業を行ううえで、できれば赤字決算ではないほうがいい場合もあります。
そういったことも含めて、税理士に相談してアドバイスを受けたうえで適切な税務処理を行いましょう。
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